ダヤン、タシルに帰る

池田あきこ

ほるぷ出版

 

長編シリーズ最終。

 

雪の神って現代人の病んだ人の象徴かもしれないなぁ。

争いはいやだ、ギスギスしてるのがいやだ、なんでこんな奴らばかりなのだ、綺麗な雪の真っ白な世界にしてしまおう……という。

 

そういう凍てついた心を溶かしにきてくれるのがダヤン。

 

こういう構図、子供の頃にたくさん見ていたはずなのに、すっかり忘れてたなぁ……

 

大人はそういうことを忘れて、ふさぎこむ馬鹿なので、たまに溶かした方がいいね。

 

皆でものづくりをする楽しさや、音楽の素晴らしさ、物語の素晴らしさ、天真爛漫な猫さんがいる尊さを感じる、ダヤンの物語。

 

とってもおすすめです。

そしてダヤンとジタンがすごく仲良しなのに安らぎを感じます。

 

ダヤンと王の塔

池田あきこ

ほるぷ出版

 

 ダヤンがセに生きる力を取り戻してもらおうと、懸命に楽しい話、面白いお話をするの、すてきだなぁ。しかも、よし、いいぞ!という感じで、話してる最中もとっても前向きなダヤン!!

 ストーリーテラーは人に息を吹き返してもらうためにいるんだ。

 

 ジタンとシノアの笛とキタラ対決?!

 うわぉギリシャ神話の激アツエピソードの再演ではないですか!正座して見なければ!!

 

 と思ったら全然違う展開だった……深い……。愛してるぜキタラ……。

 シノア、心あるいいやつじゃあないか。

 

 戦うってなんだろうな、と私自身いつも思っていて。

 殺し合いはいやでも、戦わざるを得ないときはある。

 ただ殺されるままに殺されるのが、決して平和ではない。それは単に滅ぼされてなかったことにされるだけのことだ。

 平和であるためには、剣じゃないもので戦うこと。ジタンが出してる答えだけど本当そう。

 剣で戦って功績を上げることは華々しいけれど、いろんなものを奪っていく。

 剣で戦わずに戦うのは根気がいるし、地味かもしれないけど、失うひどい痛みに比べたら、格段にましだろう。

 そしてうまく磨き上げたら、きっとそれは美しいものになるだろう。ジタンとシノアの対決のように。

 そういうものが見えてくる終わりなのが、とても嬉しい。

 

ダブダブオーシャンという地名があって、アーサー王物語に出てくるダブダブコートみたいだな〜とくふくふ笑っている。ケイ兄さーん♪

 

 

 

 

 

 

ダヤンとハロウィーンの戦い

池田あきこ

ほるぷ出版

 

 魔女と人間の恋のお話が出てきて、恋の雰囲気が濃厚。

 魔王が本当に悪いなぁ。

 

 人間は良かったり悪かったり、中間の感じ。人間ってそうだよなぁ、と思う。

 

 戦いになると、一致団結して戦うしかないんだなぁ、心が痛いなぁ、と感じる。

 

 平和なタシルが一番だな……。

 

 ハロウィーンの踊る魔王は見応えありそうだな、と思う。

 

 タシルの街、絶対迷うわ……。

 

 鳥がいっせいに襲いかかってくるのは、怖いよね。

 空中から敵意が降ってくるのはなんかわからないけど怖い。

 

 ダヤンと魔女のセがふんわりゆっくり眠ってるシーンに一瞬ほっこり癒される。

はてしない物語

ミヒャエル・エンデ

岩波書店

 

フッフールの名前がフッフールでとても良い。バスチアンはバスチーっぽい。

 

アトレーユの映画版美少年。

もと帝王だったもののまちかむらかがすごく怖い。強烈にホラー。黒板にキィキィ音立てる感じ。

シュラムッヒェン?のざわざわきゃっきゃ具合は大変悪夢。

 

汝の欲することをなせ、は、今も指針になるレベル。

グラオーグラマーンの砂漠綺麗だな。

 

植物がぶわっと生い茂るのいいな。

 

狼はフェンリルみたいだな。

 

現実とあっちの世界を行き来する能力、本当必要だな。

 

といった感じです。

 

一部一部を感触として覚えてるだけで、一貫してきちんと語るわけでもないので、私はオタクの素質がないんだろうなぁ、と思ったりなぞする。こんなとっちらかった感想でオタクを名乗ろうなぞ片腹痛いわ、みたいな。

 

オタクってもっと細部の細部まで見渡して無限に萌え続けるものだろうけど、私はただ印象に残った部分を愛でるだけ。

 

それもいいが、ゆっくり人と検討するのもまた一興なのかもしれないな。

 

物語に対して詳しく語りあうのは、人を陥れない噂話のようなものなんじゃあないのかな、とも。

人は自分自身を剥き出しにして語るのみならず、何かに仮託して語るものでもあるからだ。

 

噂話だと仮託だけでなく好意や悪意や現実世界への操作までも含まれてしまう。

それは繊細な神経をしていると、そういう話は苦痛なものだ。

 

苦痛なく己の考えをやんわりと示すということ。

イコール、物語について語ること。

なのではないか、と私は思っている。

阿・吽 10

おかざき真里

阿吽社/小学館

 

最澄空海の漫画。仏教って美しいのだなあ、最澄は美しいなあ、と思わされる、剥き出しの美しさの話。


カラーや絵ももちろん美しいのだけれど。精神が。壊れるのも構わず、どこまでもどこまでも、澄んでいこうとする精神が。美しい。

 

仏教は個を全てに溶かすようなあり方なのよね。

キリスト教は未だによくわからないんだけど、なんだか全てを遮断して神対己だけを貫き、個を全てにしているような。

そんな感触がしている。

 

現代日本の病気のような、みんな同じでないと、というのは仏教の形骸化して受け止めてしまった……つまり誤解によるんじゃないかな、と思っている。

手の機能を持つ人や足の機能を持つ人に、一律で口の機能を持たせるのが正義だと思うような、愚かな誤解。

 

個を全てに溶かすのは、バターと砂糖と小麦粉と卵という「個」を混ぜたら、「全て」であるバターケーキになるようなものであって。

砂糖に対して「小麦粉になれ!」といっても、いやいやならんよ、という話。

 

ただ、元が原子なのは一緒だから、いちいち差別するのも、壮大なる勘違いだよ、という話。

 

個人的にはこういう話をこんこんと人としてみたい。わかりやすく話してくれる人限定で。

専門用語使われてもわからないからねえ。

 

最澄にとっての空海のような友が、私にもあってほしいなあという。

今の私の夢はそれだなあ。

 

ダヤンの絵描き旅 スペイン・ポルトガル

池田あきこ

出版ワークス

 

充実した旅行記。私も気力を充実させて旅行したいな!!


スペインといえば、フラメンコのイメージ。フラメンコについて取り上げられてるのもウレシイ。習いに行ったりタブラオに行ったり、いいな〜!楽しそう!!


絵描きさんが、旅行するとコミュニケーションに絵がプラスするんだなぁ、すてきだなぁ。

タイル描いてみよう!というの、私なら思いつかないかも。


言語はやっぱりできた方がいいよねぇ。現地の。


コスタ・デル・ソルって、現実にある地名だったんだ(FF7に出てきたから、FFの中の地名だと思っていた)。


ガウディの建築、いいな〜。めぐりたい。曲線いいよなぁ、有機的で。無機的なのが私はちょっと苦手で、生きてる感じ、植物の葉っぱや枝や茂みのような丸っこさは大好きなので、ああいうふにょっとした建築は好き。


呪文をとなえながら作るお酒、楽しそうだな。


ああ、私も人生を旅していろんな経験してみたいな。


素敵な音楽家の音に耳を傾け、ゴロゴロしたいな。


リスボンにはガロと呼ばれるニワトリの置き物があるそうで、映画プロメアの主人公のガロがトサカ頭だったのを思い出してくふくふ笑ってしまう。