ダヤンと王の塔

池田あきこ

ほるぷ出版

 

 ダヤンがセに生きる力を取り戻してもらおうと、懸命に楽しい話、面白いお話をするの、すてきだなぁ。しかも、よし、いいぞ!という感じで、話してる最中もとっても前向きなダヤン!!

 ストーリーテラーは人に息を吹き返してもらうためにいるんだ。

 

 ジタンとシノアの笛とキタラ対決?!

 うわぉギリシャ神話の激アツエピソードの再演ではないですか!正座して見なければ!!

 

 と思ったら全然違う展開だった……深い……。愛してるぜキタラ……。

 シノア、心あるいいやつじゃあないか。

 

 戦うってなんだろうな、と私自身いつも思っていて。

 殺し合いはいやでも、戦わざるを得ないときはある。

 ただ殺されるままに殺されるのが、決して平和ではない。それは単に滅ぼされてなかったことにされるだけのことだ。

 平和であるためには、剣じゃないもので戦うこと。ジタンが出してる答えだけど本当そう。

 剣で戦って功績を上げることは華々しいけれど、いろんなものを奪っていく。

 剣で戦わずに戦うのは根気がいるし、地味かもしれないけど、失うひどい痛みに比べたら、格段にましだろう。

 そしてうまく磨き上げたら、きっとそれは美しいものになるだろう。ジタンとシノアの対決のように。

 そういうものが見えてくる終わりなのが、とても嬉しい。

 

ダブダブオーシャンという地名があって、アーサー王物語に出てくるダブダブコートみたいだな〜とくふくふ笑っている。ケイ兄さーん♪